ネオンランプは、いくつかのガスを組み合わせた混合ガスを封入して製造されます。
以下に、その代表的なガスのデータを掲載します。
難しい数字の話は省略しますので、興味のない方は下の表は読み飛ばしてくださいね。
| 成分 |
体積比 |
| 窒素 |
78.08% |
| 酸素 |
20.95% |
| アルゴン |
0.94% |
| 二酸化炭素 |
330ppm* |
| ネオン |
18.2ppm |
| ヘリウム |
5.24ppm |
| メタン |
1.6ppm |
| クリプトン |
1.14ppm |
| 水素 |
0.5ppm |
| 一酸化炭素 |
0.1ppm |
| キセノン |
0.087ppm |
*ppm=1万分の1%
この4つのガスには共通することがあります。
”空気中に含まれている”ことです。
そうです、今皆さんが吸われている空気の中に含まれているガスを使って,
ネオンランプは製造されているのです。
と言いましても、含まれる量は微量です。
以下に含有率表を掲載します。
|
ネオンガス |
アルゴンガス |
クリプトンガス |
キセノンガス |
| ○化学式 |
Ne |
Ar |
Kr |
Xe |
| ○分子量 |
20.18 |
39.95 |
83.80 |
131.30 |
| ○ガス密度 |
0.90(kg/m3) |
1.784 kg/m3 |
3.73(kg/m3) |
5.39(kg/m3) |
| ○液密度 |
1.21(kg/L) |
1.398(kg/L) |
2.41(kg/L) |
3.06(kg/L) |
| ○沸点 |
-246.0(℃) |
-185.8(℃) |
-153.4(℃) |
-108.1(℃) |
| ○融点 |
-248.7(℃) |
-189.3(℃) |
-156.6(℃) |
-111.9(℃) |
| ○臨界温度 |
-228.3(℃) |
150.7K(℃) |
-62.5(℃) |
+16.6(℃) |
| ○臨界圧力 |
26.8(atm) |
48.0(atm) |
54.0(atm) |
58.0(atm) |
一番多く含まれているアルゴンですら、1%に満たない量ですね。
キセノンなんて約900万分の1%しか含まれていません。
空気に含まれているくらいですから、当然、人体に悪影響を与えることもありません。
無味・無色・無臭で、不活性ガスなので反応性もありません。
毒性もありませんし、不燃ガスですので火災・爆発の心配もありません。
では完全に無害なのかというと、そうとは言い切れません。
実は、単純にガスを大量に吸うと、酸素不足で窒息(酸欠)してしまう危険があります。
人間は酸素なしでは生きていけませんので、これらのガスをいくら吸っても窒息してしまいます。
これは単純窒息性ガスと称されるのですが、充分な酸素も一緒に吸っていれば窒息はしません
のでご心配なく。
ただ唯一、キセノンガスには麻酔作用があるので、注意が必要です。
・・・・・・が、ネオンランプには麻酔効果が現れるほどの量のキセノンガスを使用しておりませんので、
残念ながら痛み止めには使えません(笑)。
現在、キセノンガスの麻酔作用は現在の麻酔(笑気ガス)より副作用が少なく、注目されているそうです。
すこし脱線気味ですが、最後にキセノンガスの麻酔効果をまとめてみました。
| 25〜50% |
無痛覚(鎮痛) |
| 50〜75% |
無感覚 |
| 75%以上 |
麻酔深度1 |
| 80%以上 |
麻酔深度2以上 |
キセノン吸入濃度と麻酔症状